Youは何しにキャバクラへ?


インターンの記事でキャバクラに行った話をしたところキャバ嬢とどんな話をしたのか詳しく教えてほしいというコメントをもらったので思い出してみた。


あれは8月末某日、インターンお疲れ様会のあと、私が放った一言から事は始まった。


「そういえば、キャバクラって一回も行ったことないんすよね。あれって楽しいんですか?」


特に連れて行って欲しいとかそんな意図はちょっとしかなかったのだが、おじさまたちの目が光り輝き、気づけばキャバクラの入り口に誘われていた。


オトナの入り口。ここには未だ体験したことのないアダルティーな世界が広がっている。


そんな妄想をしていたところ店の中から客引きがやってきた。


いい女の子揃ってますよ

ほんとに〜

お酒の値段は?


おじさんsが客引きとありふれたやりとりをしているがちょっと待て。


客引き外国人!?なんでこの仕事やってるの?ちょっとぎこちない日本語を駆使してなぜ客引きに?そこには涙涙の人生秘話があるに違いない。そして、お前の後ろにいるやばいガタイした黒人は何者?


溢れ出る疑問に耐えきれなくなり、そっと尋ねてみた。


「You は何しにJapanへ?」


この時すでにお酒が入ってたのでこんなわけのわからない質問をしてしまったがこのナイスガイは凛々しい顔で答えてくれた。


「ブラジルからこの仕事するためにきました!」



…!?


もうキャバ嬢と話さなくていい。この男、この地球の反対側からやってきた超絶怒涛の謎モチベブラジル人と酒を飲みながら腹を割って話したい。


しかし、おじさんsの目にはもうこのブラジリアンは写っていない。私の思いは儚く散りいよいよキャバクラの中へ。さらばブラジル人客引き。アディオス、ブラ引き!



そして、テレビでしか見たことのない世界に入り、一気に緊張モード突入。



あわわわわわ。きちゃった。え?1人ずつ女の子つくの?タイマン?うわぁー。話し噛み合わなくて沈黙したらどうしようぅぅぅ


そんな心配も束の間、1人目の女の子がやってきた。名刺を渡されるが手が震えて落とす。


「ぼ、ぼくぅ、キャバクラ初めてで緊張してるので優しくしてくださぃぃ。」


我ながらなんでこんなMM号の童貞しか言わないような発言をしたのか意味不明である。しかし、彼女たちはコミュ力に長けていた。


いや、コミュ力というより常に話題を振り続けてくれた。ユニバ、ハリーポッター、京都…。もう息つく間もなく話を振られ喋りまくられ何を聞かされてるんだと思いながら、時間が過ぎる。そろそろこちら側からも質問した方がいいかな?と思い


「Youは何しにキャバクラへ?」


と質問をしてみた。


想像して欲しい。キャバクラで働く女の子の心理を。想像して欲しい。この話題中、笑いが起きることがあるのかを。


ご想像に難くない。シリアスモードに突入した。隣のおじさんsがこのおっぱいのすけすけめっちゃエロい〜とか話してる間、私はこのキャバ嬢の将来設計について語り合っていた。キャバ嬢もがんばっているのだ。


2人目に交代した。今度は年下だった。もうここまできたらやるしかない。やってやる。


「You は何しにキャバクラへ?」


多くの人はキャバクラで女の子たちとはしゃぎ普段の愚痴の一つや二つこぼしたりちょっとした人生相談を聞いてもらったりしているのだろう。だが、もう私はそんな男たちとは一線を画す存在になっていた。キャバクラにいながら、キャバ嬢を前にしながら私がキャバ嬢のポジションにいるのである。


まさにキャバ男


老若男女のお話相手、キャバ男。いや、キャバ王。


圧倒的進化を遂げ、帰り際見送りのキャバ嬢たちに余裕の笑みを浮かべエレベーターに乗ろうとしたら1階にいたヤバいガタイの黒人と乗り合わせちびりそうになりました。


p.s. この黒人は一つ上の階のおっパブの客引きらしい