スタンフョード式 最高の睡眠


今までの人生で2回夜行バスを使ったことがある。2回ともなかなか寝つけず思いっきり背中が痛くなる経験をしたためもう2度と乗るまいと心に誓ったが、安さに目がくらみ3度目の夜行バスをついさっきしてきた。結論から言うと…




再び背中を痛めました!!!!



しかし、いままでと違い今回は寝るために周りの目を一切気にせず大胆なまでの姿勢追求を行なった結果ついに最高の睡眠への境地を開いたかもしれないのだ。その過程を報告しよう。



まず、普通の姿勢。浅めに腰かけ背もたれにだらっともたれかかる通常スタイル。多くの人はこれで2時間はイケるだろう。かくいう私も普段の電車からこのスタイルで何度もイッている。しかし、2時間を超えたあたりから急激に背中、腰に負荷がかかる。そう問題は


寝返り


である。普段人間は無意識のうちに寝返りをうっている。寝返りを打つことで血液の循環をよくし、筋肉の硬直を防いでいる。そのため寝返りができるか否かで体への負担は大きく変わる。夜行バスの座席で寝返りを打つのは困難であるためここから少しでも背中を休めるための第2形態へと姿勢を移行した。


第2形態。それは横向き座り寝る。単純だが座席でするのは意外に難しい。絶妙な頭の位置、足の角度を模索しないとそれらの違和感を凌駕する睡眠欲がない限りすぐにしんどくなる。ちなみに私は30分ももたなかった。30分もイケない姿勢で長時間苦しむのは厳しいと判断しすぐに第3形態を模索した。


第3形態。いそべえスタイル。みなさん、磯部磯兵衛物語をご存知だろうか?ジャンプに少し前まで連載されていたギャグ漫画である。そこで紹介されていたのが、このいそべえスタイルである。簡単に言うと畳などに寝転がりながら壁に首だけもたれさせる姿勢のこと。私はこれを夜行バスで再現してみた。座席部分に背中をおき背もたれに頭をもたれさせ、足は通路に投げ出す。


イケる!!!!


そう思ったのも束の間。背中と腰の落差に今度は猛烈に腰を痛めてしまった。そもそもこの寝方、通路に足を思いっきり出すのではっきりいって迷惑極まりない。誰も得しないこのいそべえスタイルはすぐに打ち切りにした。(いそべえのマンガは大好きです。)


なかなかいい寝方が見つからず苦しんでいたが、ここでふと自分がほとんど仰向けになっていることに気づいた。そこで次の第4形態、うつ伏せの出番である。


バスの座席でうつ伏せになることの難易度は誰しもお分かりであろう。しかし、なんとかうつ伏せになれば世界が変わるかもしれないと思い、後ろの人と目が合うことを恐れず決死の覚悟で背もたれに抱きついた。こ、これは…



めちゃくちゃしんどい………



全然イケなかったのですぐにやめた。自分にとっても後ろの人にとってもなんの得にもならないので絶対にやめた方がいい。いや、むしろ目を覚ましたい人にはオススメかもしれない。しかし今は最高の睡眠を模索する時。第1形態にもどってしまった。



さて、万策尽きた私はふりだしにもどり背中はどんどん痛くなるばかり。苦しみの時間を耐え忍び、もう背中と腰が限界に近づいたその時だった。奇跡の最終形態。ふぁいなるトランスフョーめーしょんにたどり着いた。






ただ素晴らしい姿勢で座り寝る。






紆余曲折を経てたどり着いたのは果てしなくシンプルな結論。ツノも長い頭も省いたツルピカのフリーザ様最終形態の境地にわたしも達してしまった。何も考えることはない。ただ、背筋を伸ばして寝る。背中が痛みから解放されて放つ喜びの声が聞こえてくる。悟りを開いたものにしか聞こえない声。神の見えざる耳。


もうわたしに怖いものはない。結論はただひとつ。長距離移動中、心地よい最高の睡眠を手に入れるには



新幹線に乗ろう!!!!